「地域協働プロジェクト」とは、元来連盟の「夢プロジェクト」と言われたものです。教会が近隣の教会の協働を得て取り組むプロジェクトです。地域協働プロジェクトの中で、地方連合の賛同を得て申請し、連盟総会で選ばれたプロジェクトは「全国支援・地域協働プロジェクト」となり、連盟から財政支援が行なわれます。

東京北教会は連盟の推進施策である「全国支援・地域協働プロジェクト」制度を活用して、地域の多様なルーツを持つ人々との関係づくりのために、1.教会強化(居場所を作っていくために、借室伝道から自前の会堂取得へ)と、2.宣教課題(多様なルーツを持つ人々と共に生きる多文化共生)に取り組んでいく東京北地域協働プロジェクトを進めています。

「地域の多様なルーツを持つ人々と共に生きる」ビジョンの実現のため、近隣の教会と、東京地方連合総会の賛同を得て(18年4月)、2018年11月連盟総会に教会議案として提出させていただきました。祈りに覚えていただければ幸いです。

東京北地域協働プロジェクト

東京北教会は、バプテスト連盟の全国拠点開拓伝道の第一号である茗荷谷キリスト教会が10周年を機に1987年に北区に生み出した「開拓伝道」の実りです。以来30年間、赤羽の地で公共の施設やビルの1室を借りながら、福音伝道をおこなってきました。

借室伝道の中で、大きな恵みを受ける一方で、限界も感じてきました。広さ17.5坪、定員40名のワンルームでは、礼拝人数が35人で頭打ちになります。また、高齢者や子どもたちのスペースがなく、バプテスマ式や葬儀ができないこと、そして、子連れの方々や配慮が必要な方々などが、定着しづらいという痛みを経験してきました。

こちらの写真は、2015年に教会で行われた子どもクリスマスの参加者と一緒に撮ったものです。この中には、外国にルーツをもつ保護者が、牧師を含めて4人、外国にルーツをもつ子どもたちが、牧師の子どもも含めて7人います。この時の子どもクリスマスが、ひとつのきっかけとなって、私たちに次のようなヴィジョンを持つに至り、茗荷谷教会、泉教会、志村教会、幡ヶ谷教会が協働教会として総会決議をしてくださり、その祈りと励ましによって本日、議題として本プロジェクトを提案いたします。

プロジェクトの目的

そのうち1と2についてつぎにご説明いたします。

「ひらかれた教会」の実現

  • わたしたちは教会あるいは教会堂を地域の多種多様な方々。特に子どもたちと外国の方々に開き、人々の「居場所になりたい」と願っています。
  • 昨年11月からイエスさまの共食にならい始めた「みんなの食事会」は、教会員も含めて、毎回50人前後の人々が集う場となっています。月に一度、金曜日の夕方にカレーを準備し教会堂を地域の方々に開くことで、教会堂は多くの方々の「居場所」となる可能性を秘めていることを私たちは実感しています。
  • 昨年の夏休みに行った「宿題をする会」では、子どもたちが勉強や工作などをしている間に、教会堂がお母さんたちが「子育ての悩みなどを分かち合う場」となりました。
  • これらは教会というものが地域社会にあって多くの方々の居場所となること、用いていただける器であることを私たちに示してくれました。
  • 地域には様々な背景、社会的な課題に取り組むグループ、個人がいます。そうした方々に場所を提供し居場所となること、教会自らが変えられていくこと、そのような教会づくりをすすめ、発信していく。それが第1のビジョンです。

「多文化共生」の宣教課題を担う

  • 北区には多くの他国籍者が居住しています。2018年4月1日現在20,994人の方がおり、中国、韓国をはじめフィリピン、ミャンマー、バングラディシュ、ベトナムなど多様な方々が集まっています。
  • 現在の「みんなの食事会」にも、外国にルーツをもつ方々が集っていますが、チラシやポスターを多言語で作成することで、より多文化共生へと近づけていきたいと思います。
  • これらの活動を継続しておこなっていくために専従スタッフを立てる必要があると考えます。そして、これらの活動を通して出会った方々と一緒に礼拝をささげ、共に生きていく教会になるための「レホボト(広い場所)」(創世記26:22)を求めます。
  • しかし、赤羽の地価は非常に高く(1坪140万以上)、一教会で十分な不動産を得ることが困難なため、全国支援・地域協働プロジェクトによって、このことを実現したいと考えています。

資金計画

 土地購入に8,000万円、建物改修費(居抜き物件が見つかるのがベスト)3,960万円、活動費320万円(年間40万円×8年)、人件費(プロジェクトの目的を実現させるために専従スタッフを立てたいと考えています)1,040万円(年130万円×8年)の合計13,320万円です。

次に、右側の資金計画をご覧ください。連盟から回転資金を2,800万円借ります。教会員の献金が1,200万円です。また、教会債で1,000万円を集める予定です。さらに土地購入代金となるのが、全国支援プロジェクトからの8,000万円(東京北は、宗教法人格を持たないため、購入した土地は連盟の所有)です。協働教会からの献金320万円は、毎年40万円の活動費に充てたいと考えています。

返済計画は、下半分にある通りで、現在の家賃支払いが年間300万円なので、これを回転資金と教会債の返済に当てる計画です。

協働教会となってください

終わりに

これは東京北キリスト教会の夢プロジェクトでしたが、全国支援・地域協働プロジェクトとして提起したことで「わたしたち」のプロジェクトとなったと感じています。  わたしたちの30年の歩み自体が、借室伝道を行い、都心部での開拓伝道に格闘しておられる教会の励みともなること、おなじ宣教課題に直面している各個教会とつながるきっかけとなることを感じています。  本総会において賛成の決議をいただき、今秋おこなわれます連盟総会の議題として提出することをお認めいただければと思います。

●協働教会&賛同教会

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