2021年9月19日メッセージ  「出会いを与えられる神」  使徒言行録8章26~40節

 主の天使がフィリポにエルサレムからガザへ下る道へ行くように告げます。すると、その道をちょうどエチオピアの高官が通ります。彼は、エルサレムで礼拝をささげて帰国する途上にありました。神の霊はフィリポに「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」と告げます。馬車に走り寄ったフィリポの耳に聞こえてきたのは、イザヤ書の朗読でした。人通りの少ないこの場所で、フィリポは神さまの導きによって神を求める人と出会ったのです。
 フィリポはエチオピアの高官に「読んでいることがお分かりになりますか」と相手を気遣い話しかけます。すると、エチオピアの高官は心を開き、フィリポに自分の馬車に乗って、そばに座って聖書の解説をするようにお願いします。エチオピアの高官が読んでいたのは、イザヤ書の53章7節から8節、「主の僕の歌」と呼ばれる箇所です。フィリポは、この箇所で語られている人がイエス・キリストであること。そして、イエスは、この聖書箇所にあるように、罪もないのに罪に定められ十字架に付けられて死んだこと、そのイエスを神が復活させられたことを語ったのでしょう。フィリピの話を聞いたエチオピアの高官は、イエスが救い主であることを受け入れます。
 イエスをキリストと信じる信仰は、神さまの働きによって起こされるものです。しかし、フィリポが神の霊の導きに従って、馬車に走り寄り、声を掛け、同乗して、熱心にイエス・キリストを宣べ伝えることがなければ、エチオピアの高官は、イエス・キリストを知ることはなかったのでしょう。神さまは上十条の地で、私たちに新たな出会いを与えてくださいます。その出会いを大切にし、その方々に寄り添いながら、イエス・キリストを宣べ伝えていくことができればと思います。       〔細井留美〕

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