2022年1月2日「『内なる人』を新たにされて」 コリントの信徒への手紙二 4章7~18節

 

パウロの宣べ伝える福音は覆いかかっていると言われていました。コリント教会の人々は、推薦状を持ってやってきた、力強くモーセと律法を語る人たちの外見に惑わされて、使徒としての資格を疑われ、「面と向かうと弱腰だ」と評されていたパウロの語る福音の真価が分からなくなっていたようです。

パウロは弱く限界のある人間を、土の器に例えます。それは、パウロの外見を象徴するかのようです。ところが、その土の器の中に、並外れて偉大な神の力が秘められているのです。わたしたちは、すべてにおいて苦しめられながらも、行き詰まってはいない。途方にくれながらも、失望してはいない。虐げられながらも、見捨てられてはいない。打ち倒されながらも、滅ぼされてはいない(8,9節)とパウロは言います。

パウロは、福音を宣べ伝える中で、様々な危険や困難に合いながら、いつもそれらを乗り越えてきました。自分の力ではなく、神の力によって。パウロたちの宣べ伝える福音は、弱さの中で働いてくださる神の力です。だから、パウロは何が起こっても落胆しません。「外なる人」は衰えても、「内なる人」は、日々新たにされていくからです。神の霊の働きによって、「内なる人」は日々イエス・キリストと同じ姿へと変えられていくのです。

わたしたちにも、この並外れて偉大な力が与えられています。新しい年に、私たちは困難に直面するかもしれません。しかし、神さまは私たちにそれを乗り越える恵みを与えてくださっています。                          〔細井留美〕

関連記事