第一に、31~33節に「思い悩むな。…何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」とあります。貧しい農民がその多くを占めています。彼らは「何を食べようか」と、切実な問題を抱えて集まっています。しかし、主は命や体が大事ではないかと言われます。イエスさまは、鳥よりもあなたがたが価値があり、野の花よりもあなたがたが大事である、と言われます。だから、思い悩むなと言われます。そして、31節に「神の義を求めなさい」とあり、本田哲郎訳では「神による解放を求めなさい」と言われます。イエスさまは人々の苦労をご存じで、必ず神さまが救って下さると言われました。神さまは私たちを良い道に導かれます。このような神さまの導きを信じて、任せていきましょう。
第二に、若井晋さんは、東京大学医学部教授でしたが、言葉を忘れていきました。医師の診察結果、59歳で「若年性アルツハイマー」と診断されました。東京大学を退職して5年間苦しみましたが、日本キリスト者医科連盟の会長を務め、講演を35回も行いました。言葉を完全に忘れてしまいましたが、ある日突然晋さんは元に戻って、克子さんに分かる言葉で、「あなたは何でイエスさまを信じたのか?」と聞きました。妻は短く一言で「私はイエスさまに出会ったの」と言いました。彼は「ありがとう」と言ってまた分からぬ言葉を喋りました。神さまは彼と出会ってくれたと思います。イエスさまが私の重荷を担って下さる事を感謝し、私なりに応答していきたいと思います。〔魯 孝錬〕