2022年12月25日メッセージ「暗闇の中で輝く光」ヨハネによる福音書1章1~5、9~14節

ヨハネによる福音書では、イエスの誕生を「言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。」(14)と記します。ここで言う「言」とは、創世記1章の天地創造の物語で、神が言によって世界を作り上げたその「言」のことです。言であるイエスが、「わたしたちの間に宿られた」すなわちわたしたちと一緒に生きるために来られたのです。

神と共にあった言葉、すなわちイエス・キリストの中には命があって、その命は人間を照らす光であったとヨハネによる福音書は伝えます。そして、その光は暗闇の中で輝きます。暗闇とは、私たちが生きる世界、この世のこと。ヨハネによる福音書は、この世を暗闇だと言います。当時は、「ローマによる平和」と呼ばれる時代でしたが、その陰にはローマによって侵略され支配され搾取される国や人々が存在していました。被支配者にとっては、暗黒の時代でした。そのような時代に、イエス・キリストは貧しい人々の只中に生まれ、貧しい人々や社会の中で疎外されている人々と共に生き、人々を命の光、すなわち神の言葉で照らしたのです。感染病や異常気象、大規模災害、戦争、格差などによる不安が支配する現代の世界もまた、暗闇と表現できるのではないでしょうか。この暗闇の世界に、神さまは、イエス・キリストという私たちを照らす希望の光を送ってくださったのです。

光は暗闇の中で輝きます。しかし、「暗闇は光を理解しなかった」(5)と記されています。この世に来られたイエスさまを、この世の人々は、救い主と認めず、受けれなかったのです。「しかし、言葉は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には、神の子となる資格を与えた」と(11)にあるとおり、イエス・キリストを救い主として受け入れ信じる者は誰でも、神の子となる資格が与えられます。血筋や人間の意志によるのではなく、ただ神の恵みによって、イエス・キリストを救い主として受け入れることによって、資格が与えられる。これが神さまの恵みであり愛です。                                                 〔細井留美〕

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