2023年12月3日メッセージ「イエスの系図」マタイによる福音書1章1~17節

 新しい福音の紹介です。系図はイスラエル人にとって、考え抜かれたものでした。イスラエルの歴史を40代に表したのは、荒野の旅の40年から学ぶからです。外国の力を信頼せず、神のみをより頼むからです。
 第一に、系図に異邦人女性の登場と、ダビデ王の姦通と殺人を伝えています。女性が4人登場します。しかも皆異邦人です。タマルは、娼婦を装ってユダを誘い、子を儲けます(創世記38)。ラハブはエリコの売春婦です(ヨシュア2)。ルツはダビデの先祖となります(ルツ1−4章)。そして、ダビデの罪が暴かれます。ダビデは王の力でバットシェバを自分のものにします。またその夫ウリアを巧妙に戦場で死なせます。ダビデの姦通と殺人を公にします(サム下2)。第二に、捕囚の時代に神殿回復の努力と、その後の異民族の排除です。南ユダはバビロンに滅ぼされ、捕囚に連れて行かれました。捕囚は神の負けではなく、自分たちの罪の結果だと言う発想の転換をしました。イスラエルのゼルバベルはユダから派遣され、神殿を再建しました。しかし、イスラエルは神礼拝に異民族を排除しました。これらの人間の限界を越えるために、イエスが登場しました。救い主が一番弱い存在として、赤ちゃんの姿に来られます。
マタイによる福音書は一貫して、イエスは救い主(キリスト、メシア)だと告白します。最後に、弟子たちに「すべての民をわたしの弟子にしなさい」(28:19)と命令しています。この至上命令を、私たちは時が良くても悪くても、イエスの種を蒔く事に最善を尽くしましょう。  〔牧師 魯 孝錬〕

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