2024年8月11日メッセージ「共に生きる社会をめざして」申命記5章1~22節

十戒の中で主は「安息日を守ってこれを聖別せよ。あなたの神、主が命じられたとおりに」と言われます。「六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、あなたも、息子も、娘も、男女の奴隷も、牛、ろばなどすべての家畜も、あなたの町の門の中に寄留する人々も同様である。そうすれば、あなたの男女の奴隷も同じように休むことができる」と具体的に語られています。なぜなら、エジプトでイスラエルの人々は、休みなく働かされていたからです。苦しんでいたあなたがたを救い出したのが、わたしであることを思い起こすために、安息日に自分も他の人々も家畜も休ませなさいと主は言われました。すべての人に安息が与えられる社会を造りなさいという神さまからのメッセージです。

十戒は、エジプトで奴隷であったイスラエルの人々が、人間らしく生きていくために与えられた掟ですが、同時に人が人と共に生きていくために必要な掟であるとも言えます。イスラエルの人々がエジプトを脱出する際、種々雑多な人々が一緒にエジプトから逃亡しました(出エジ12:38)。イスラエル人だけでなく、他の苦しめられていた人々も一緒にエジプトから逃れたのです。イスラエルの人々が、他の人々と共に生きていくうえで、十戒はとても大切な掟でした。カナンというすでに先住の民が暮らす場所で生きていく上でも、同じであったと思います。

この大切な共生の掟が、現代のイスラエルにおいて無視されていることは非常に残念です。では日本は、人と人が共生しうる社会になっているのでしょうか?残念ながら、そうだとは言えません。特に外国人住民にとって、生きやすい国とはいえません。わたしたちは皆、神に創造され、神から命の息を吹き入れられた人間です。聖書は外国人住民にも、イスラエルの人たちと同じように暮らす権利を補償するように教えています。わたしたちは共に生きる仲間です。そのことを、私たちにとって一番身近な社会、教会から始めていくことができればと思います。 〔牧師 細井 留美〕

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