コリント教会はパウロが立てた教会です。その後、1年6ヶ月の間、共に信仰生活をしました。しかし、パウロが離れた後、コリント教会の人々の間に、争いが起きていました。この手紙は、争いを超えて一致への勧めです。
コリント教会はパウロ党や、アポロ党、ケファ党に分かれてエスカレートして行きます。 まず、パウロ党です。人々はパウロが伝えるイエスの教えより、パウロが絶対的になって行きます。私たちも尊敬する先生が段々自分の中で絶対化になるがちです。次はアポロです。 アポロは言葉に魅力があり、コリント教会の人々に影響を与えました。アポロはイエスを伝えたはずですが、アポロの言う事が絶対化されていきます。パウロは神の働きによってのみ、 成長し実を結ぶ事を伝えます。次に、ケファ(ペトロ)です。ペトロは四苦八苦して、外国人伝道に開かれていきます。ここで人々はペトロをいつの間にか絶対視します。このように、目の前の人に傾倒していくのが、私たちの限界かも知れません。しかし、この限界を超えて、 教会が一致することが重要です。イエス・キリストの十字架の福音とは、十字架に示された、裁きと赦しを受け入れる事です。
コリント教会は、十字架をあまり重要ではないと思っていました。パウロは「キリストの十字架が空しくならないように、言葉の知恵によらないで告げ知らせるためだ」と言います。 17、18節以下が示す「十字架」の中にある、罪に対する神の厳しい罰と、同時にキリストが罪を担って私たちの罪を赦された事を吟味しましょう。 〔魯 孝錬〕