エジプトに売られて来たヨセフは、ファラオの親衛隊長のポティファルに買い取られます。ヨセフは心細かったことでしょう。しかし、聖書はこのような不幸の中でも、神がヨセフと共にいると言います。ヨセフは、主が共にいる事を少しずつ学んでいきます。
いきなり主人の妻が、ヨセフに「私と寝なさい」と言います。ヨセフは動揺せず、順序立てて「家のことはすべて私の手に委ねられました。ただ、あなたは別です。神に罪を犯すことができましょうか」と断ります。ところが、主人の妻はヨセフが仕事のため家に入った所、ヨセフをつかんで「私と一緒に寝なさい」と迫ります。ヨセフは服を彼女の手に残して、外に逃げ出しました。主人の妻は家の者を呼んで、事実とは逆にヨセフが彼女を弄んだと訴えます。主人の妻は一瞬で彼女のした事を隠し、ヨセフから襲わりそうになった、と演じました。主人が帰ってきて妻の話を聞き、怒ってヨセフを捕らえて牢獄に入れました。この時もヨセフの人生には、神が共におられたと聖書は語ります。ヨセフ本人には分からないこともあります。ヨセフの歩みが間違った方向に進んでも、不思議な出来事を通して、その人生が組み直されていきます。神の伴いにより新たな道が開かれました。
私たちは時には一人ぼっちのように感じる時もあります。あるいは、独りで祈ることも出来ないかも知れません。しかし、神は私たちの人生を立て直して下さいます。また誰かが私のために祈っているのです。決して一人ではありません。 〔牧師 魯 孝錬〕