2025年5月11日メッセージ「キリストの体としての成長」エフェソの信徒への手紙4章1~16節

 エフェソの信徒への手紙4章では、キリストの体としての教会の「一致」と「成長」が語られます。ユダヤ人と異邦人が共に歩む初代教会において、文化や価値観の違いによる葛藤の中で、パウロは「主に結ばれて囚人となっている私」として一致への勧めを発します。「神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩みなさい」と。
 その歩みとは、謙遜、寛容、愛、忍耐、そして霊による一致に努めることです。キリストにあって私たちは一つとされ、信仰も希望も神も一つ。だからこそ、違いがあっても一致できるのです。
一方で、パウロは「私たち一人一人に異なる賜物が与えられている」とも語ります。使徒、教師、牧者など、それぞれが自分の持ち場で働くことで、教会は「キリストの満ちあふれる豊かさ」へと成長していきます。それは人数の増加ではなく、愛と真理に根ざした関係性の成熟です。
 アニメ「ブラック・クローバー」に登場する訳ありの騎士たちが、互いに助け合い強くなる姿は、まさに教会の姿と重なります。教会は「完璧な人」の集まりではなく、「不完全で欠けある者たち」が互いに補い合いながら歩む共同体なのです。
 この1年、「キリストの体としての成長」を主題に掲げる私たちは、互いの賜物を尊重し合いながら、信仰と知識において一つとなり、成熟へと向かう旅路を歩んでいきましょう。そして、キリストにあって愛に生きる共同体が、世に神の恵みを証していけるよう祈りつつ歩みたいと思います。〔牧師 細井留美〕

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