今日読む使徒言行録12章には、民衆の支持を得るため無実の人々を犠牲にしたヘロデ王が登場します。彼は権力を守るため教会を迫害し、使徒ヤコブを殺し、ペトロも投獄しました。ペトロは四組十六人の兵士に厳重に監視され、鎖で繋がれ、処刑は決定的でしたが、教会はただ熱心に祈りました。圧倒的な権力の前で人間の力は無力でしたが、主の天使が現れ、鎖は外れ、牢の門は自然に開き、ペトロは奇跡的に救い出されました。
しかし、必死に祈っていた人々は、ペトロが戻ってきたと聞いても信じられず「天使だろう」と言いました。この物語は、不信仰に陥りやすい私たちに、神が不完全な祈りをも喜び受け入れ、恵みの業を行ってくださることを示しています。ペトロを救い出したのも、ヘロデを打ち倒したのも主の天使でした。人間の権力はやがて滅びますが、神のご支配は永遠です。
現代社会も変化と分断の中にあり、弱い立場に置かれた人々が孤独や差別に苦しんでいます。恐怖や排除の言葉が支持される時代にあっても、教会は祈りを通して神の愛と平和を証しする使命があります。地域で互いを知り、文化への理解を深め、分断や差別に立ち向かい、多文化共生の社会を目指す歩みは簡単ではありません。しかし、力不足を覚えるときこそ、最も大切なのは祈ることです。祈るとき、私たちは真の勝利を見出します。祈りを通して神の言葉は広がり、伝道が進み、教会は成長します。祈る教会こそ、信仰の喜び、慰め、励ましを与えられ、どの時代の力にも滅ぼされない確かな歩みを与えられるのです。〔宣教師委 郭 修岩〕