今日の聖書箇所は、イエスさまが弟子たちに語られた告別説教の一部です。イエスさまは、「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る」(15節)と言われます。「わたしの掟」とは、何でしょうか?
13章でイエスさまは、弟子たちの足を洗い、「あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない」と言われます。他人の足を洗う行為は、相手を大切に扱うことであり、その人の面倒事を引き受けることだと思います。また、13:34で「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」と言われます。「わたしの掟」とは、お互いを大切にすること、相手の面倒な部分も引き受けることを意味するのでしょう。ここには、「互いに」という相互性・共同性が示されています。イエスさまの掟は、誰かと共に生きることを示しています。
そして、かの日(終末)には、「わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることがあなたがたに分かる」とイエスさまは言われます。
イエスさまの掟を守る者は、神とイエスさまから愛されるのです。これは、イエスさまの掟を守る者と神とイエスさまとの一致といえるでしょう。
「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしはその人のところに行き、一緒に住む。」(23)という言葉は、非常に印象的です。「一緒に住む」とは、生活を共にすることであり、苦しいことも楽しいことも一緒に経験することです。イエスさまの掟を守ることは、神さまやイエスさまとそれほど親しい関係を構築することなのです。他者を大切にし、なにかあれば互いに助け合う者と、神さまとイエスさまは共にいてくださるのです。[細井留美]