2022年9月4日メッセージ「一緒に歩む」マルコによる福音書3章13~19節

洗礼者ヨハネからバプテスマを受けたイエスさまは、ヨハネが捕らえられると故郷のあるガリラヤ地方へ戻り、神の国の福音を宣べ伝え始めます。イエスさまがまず行ったのは、仲間づくりでした。イエスさまは、貧しい者や社会の中で疎外されている人々に声を掛けながら、ご自身と共に働く同労者=弟子たちを増やされていきました。

ある日、イエスさまは山にのぼり、弟子の中から12人の代表者を選びます。12人の顔ぶれを見ると、漁師出身のシモン、ヤコブ、ヨハネ、アンデレの4人、また熱心党(ローマの支配に反対する党派)のシモン、イエスさまを売り渡すことになるユダも含まれています。多様な人たち、個性的な人たちがイエスさまの弟子であったことが伺えます。

イエスさまが12人を任命したのは、まず第一にご自分の側に置くためであったとあります。それは、ご自分の思いや考えを知ってほしい、自分から学んでほしいということもあったと思いますが、単にイエスさまの考えを伝えるだけではなく、彼らの意見を聞くためでもあったのではないかと考えます。イエスさまは自分とは異なる考え方に触れること、異なる考えを持つ人と対話することを自ら望まれたのでしょう。時には、イエスさまが弟子から気づかされること、教えられることもあったかもしれません。イエスさまが一人で福音を宣べ伝えるのではなく、仲間を増やしたのは、異なる考えをもつ仲間と共に福音を宣べ伝えることを大切だと考えていたからではないかと思います。

教会は多様な人々が集る信仰共同体です。福音宣教が、独りよがりにならないために、様々な人との対話を大切にしていきたいと思います。                       [細井留美]

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