2022年10月23日メッセージ「神と共にある生涯」詩編23編1~6節

詩編23篇は、「主はわたしの羊飼い」という信仰告白から始まります。羊飼いは羊の群れを導く者として、神さまや王をたとえるのに用いられます。一方、羊は臆病で、パニックになりやすく、迷いやすい動物です。見守り世話をする飼い主がいなければ、すぐに命を落としてしまいます。だから、羊にとって、羊飼いはとても大きな存在です。「主は私の羊飼い」という一節は、自分を羊のように弱い存在であることを認め、羊飼いとして守ってくださる神さまなしでは生きられないという信仰告白なのです。

詩編23篇の作者は不明ですが、長らくダビデが作者だと考えられてきました。詩編23篇の内容がダビデの生涯と重なるからです。同時に、私たち信仰者の歩みにも重なります。私たちもそれぞれ人生を歩みながら様々な困難や危機に直面します。しかし、神さまはどんな時も、共にいてくださり、私たちを善い方へと導いてくださるのです。

「主の家にわたしは帰り、生涯そこにとどまるであろう」(6)。ヨハネによる福音書で、イエスさまが弟子たちに「父の家には住むところがたくさんある」と、神さまのもとに居場所があることを伝えています。「主の家」も、私たちの居場所と考えて良いでしょう。「生涯」、すなわちこの世での生を終えた後も、私たちは神さまと共にあることができるのです。

そして、「命のある限り、恵みと慈しみがわたしを追う」(6)は、私たちにとってとてもに大きな希望です。このことに励まされて、今与えられている命を一日一日精一杯生きていくことができればと思います。                  〔細井留美〕

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