2023年12月31日メッセージ「神の救い、イエス」ルカによる福音書2章22~35節

 イエスを産んで40日間の清めの期間を終えたマリアとヨセフは、イエスを神にささげるためにエルサレムの神殿に詣でます。エルサレムには、シメオンという人がいました。彼は律法に忠実で、信仰にあつい人で、イスラエルの慰められるのを待ち望んでいました。
 マリアとヨセフが神殿でいけにえをささげようとしていた時、シメオンが聖霊に導かれて、神殿の境内に入ってきます。そして、イエスが神から遣わされたメシアであることに気が付き、イエスを腕に抱きます。幼子イエスが、救い主であることに気が付いたのは、国を治める指導者たちでも、神殿に仕える祭司たちでもなく、このシメオンともう一人、女預言者のアンナだけでした。イスラエルの民は、長くメシアが到来するのを待っていたはずでしたが、長い年月の間に彼らはメシアでなく他のもの(権力や豊かさ)を求めるようになり、真の救い主であるイエスに気が付くことができなかったのです。一方、神を信頼し、神からの救い主を待ち望んでいたシメオンとアンナは、イエスが救い主であることに気が付いたのです。
シメオンは幼子を両腕に抱き、神をたたえて言います。私はやっと、平安の内にこの世を去ることができる。約束通り、神さまの救いを目にすることができたから。その救いは、すべての民のために備えられた救いであり、異邦人の啓示となり、イスラエルの栄光となる光であると。この救いは、イスラエルの民に留まらず、すべての民のために備えられているとシメオンははっきり語ります。神の救いは、国や民族を超えて、すべての人々に向けられているのです。 〔牧師 細井留美〕

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