2023年6月25日メッセージ「新たに生まれる」ヨハネによる福音書3章1~21節

ある夜、一人の男性がイエスさまを訪ねました。ユダヤ人の議員でファリサイ派に属するニコデモです。「あなたが神のもとから来られた教師であると知っています」と言うニコデモにイエスさまは言われます。「はっきり言っておく、人は新たに生まれなければ、神の国を見ることができない」。ニコデモはイエスさまの言葉にとまどいます。イエスさまが言われた「新たに生まれる」を文字通りの意味に捉え、かつ、自分の知識で可能かどうかを判断しようとしたからです。

イエスさまがニコデモに言われた「新たに生まれる」とは、母の胎内に戻ってもう一度生まれることではなく、霊的、すなわちその人の根源が新たにされることを意味していました。それまでの考え方や生き方が新たにされ、神に対して生きることを意味しています。

そして、もしも「新たに生まれる」のであれば、その時にわたしたちは神の国を見ることができる、神の国に入ることができるとイエスさまは言われます。神の国とは、神の公正や正義が支配する国です。死んだら行くあの世とも違い、神に対して生きる者たちの間に存在するものです(ルカ17:20-21)。イエスさまは、ニコデモにこれまでの律法にとらわれた生き方ではなく、神に対して生きるよう伝えたかったのでしょう。

また、イエスさまは言われました。「神は、その独り子をお与えになったほどに世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。(16)」

イエスさまがこの世界に遣わされたのは、世を裁くためではなく、世を救うためです。永遠の命を得るとは、神さま無しで生きる生き方から、神さまと共に生きる生き方へと導かれることです。神さまと共に生きる時、私たちは自身の根源が回復されるのだと思います。         〔細井留美〕

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