2023年7月23日メッセージ「主の家の居場所で」ヨハネによる福音書14章1~7節

イエスさまが弟子たちに「わたしの父の家には住む場所がたくさんある」と言われます。ユダヤ人たちは、イエスをメシア(救い主)であることを公に言い表す者を会堂から追放することを決めていました。「会堂から追放する」とは、共同体、コミュニティからその人を追い出すことであり、その社会において生きることが困難になることを意味しました。イエスさまに従っていた弟子たちは、おそらく会堂から追放されており、コミュニティの中に自分たちの居場所を失っていたのでしょう。だからイエスさまは、わたしの父の家にはあなたがたが住む場所、居場所がたくさんあるから安心しなさい、今無くても私があなたがたのためにかならず用意しに行くと語って弟子たちを励まされたのです。

イエスさまは、この世界で居場所のない弟子たちにあの世での居場所を約束しているのでしょうか?イエスさまが言われた居場所とは、死んでからのことだけではなく、私たちが今生きているこの世界の中で、従来のユダヤ教のコミュニティとは違う、新しいコミュニティ、共同体ができることを約束しているのだと思います。

また、イエスさまは言われます。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとへ行くことができない。」ヨハネによる福音書では、天地創造の時、神と共にあった言葉が肉となって私たちの間に宿られたと伝えます。そして、その言葉であった神の独り子イエスさまだけが、神を見たことがあり、神のことを知っており、人々に神を示すことができるのです。だから、イエスさまこそ、神に至る道であり、真理であり、命の源なのです。イエスさまと共にある新しい共同体、それを教会と呼ぶことができるでしょう。                  〔細井留美〕

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