エルサレムのユダヤ人たちはイエス・キリストを信じ始め、神さまの恵みの中で喜び、神さまが御子キリストを与えて罪を赦してくださったことを喜びました。しかし、迫害が起こり、キリストを信じるようになったユダヤ人の多くがエルサレムから追い出され、古代世界に散らされたのです。彼らは、困難な時にどうすれば感謝をもって神さまに仕え続けることができるのかと疑問に思ったのです。
ヘブライ人への手紙の著者は彼らに「神は決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」と言われました。これは聖書全体を通しての神さまの約束です。私たちが困難や誘惑から解放されるということではなく、困難や誘惑の中にあっても神さまが共にいてくださるということなのです。そして、ヘブライ人への手紙12章28節で「揺り動かされることのない御国を受けたことを感謝しなさい」と言っています。では、私たちはどのように感謝を表すのでしょうか。まず、第一のことは、兄弟愛をいつも持っていなさいということです。次に、旅人をもてなすことです。さらに、苦しめられている人々を思いやりなさい、ということです。それと、結婚がすべての人に尊ばれるようにすることです。最後に、金銭を愛する生活をしてはいけないということです。「わたしは決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」という神さまから約束をいただいているからこそ、隣人に寛大になれるのです。どうしてそう信じることができるのでしょうか。神さまは私たちの状況だけに注目するよう呼びかけているのではなく、神さまの約束に注目するよう呼びかけているのです。
この世は悩みに満ちていても、私たちの神は真実なお方で、「わたしは決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない。」を心に留めて、なによりも神がいつもともにおられることを感謝して生活しようではありませんか。 〔郭 修岩〕