2023年11月12日メッセージ「人と人を結び合わせる神」マルコによる福音書6章30~44節

今日はイエスさまがなぜ弟子たちに「あなたがたが彼らに食べ物をあげなさい」と言われたのかに注目をしたいと思います。

弟子たちは、自分たちが大勢いる群衆のすべてに食べ物を用意するのは難しいので、群衆を解散させることが最善の方法だと考えました。弟子たちは自分たちの手に負えそうにないことを手放そうとしましたが、イエスさまの言葉が、彼らが手放そうとしたものを、再び彼らの手に戻します。イエスさまの発言の意図は、目の前の人々と関わりを促すことにあったのだと思います。あなたがたが彼らの食事に責任を持ちなさい。あなたがたが彼らの心配しなさい。彼らの課題をあなたがたの課題にしなさい、とイエスさまは言われたのです。ご自分のもとに集まってきた群衆の痛みをご自分の痛みとしたイエスさまは、弟子たちも同じ想いを持つことを期待されたのです。

しかし、イエスさまは弟子たちの力だけではどうにもならないこともご存じでした。なので、ご自分の業を行うにあたって、弟子たちにその働きを手伝わせたのです。イエスさまはまず、人々を組に分けて青草の上に座らせるよう弟子たちに命じます。飼い主のいない羊の群れのように混乱していた群衆たちを組に分けて座らせたことによって、人々の間に交わりが生まれたのではないでしょうか。イエスさまはパンと魚を手に取り、神さまに向かって賛美の祈りを祈り、パンを裂いて、弟子たちに配らせます。弟子たちは、イエスさまの裂いたパンを自分たちで配ることで、群衆たちと直接顔と顔を合わせました。そのことによって、群衆というひとまとまりの存在が、一人ひとり顔を知る存在へと変わったのです。

イエスさまが作られた一緒に食事をする機会のおかげで、食事の前と後とでは、人々の関係は大きく変わりました。弟子たちには、人々の顔を知ったことで、個々の人々が抱える課題を、以前よりも具体的に考えるようになり、彼らの痛みをより身近に感じられるようになったのではないでしょうか。「あなたがたが彼らに食事を与えなさい」この言葉によって、イエスさまは人々の関係を取り結ばれたのです。         〔細井 留美〕

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