「闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた」イザヤ書9章1節のこの言葉は、当時救い主を待ち望んでいたイスラエルの人々の切実な願いと期待を語っています。そしてそれが私たちの願いと期待でもあります。「闇の中を歩む民」「死の陰の地に住む人」それはまさに私たちが今置かれている状況です。
預言者イザヤは、苦しみの中にいる人々に「異邦人のガラリヤは栄光を受けた」「大いなる光を見た」、死の陰の地に住む者の上に「光が輝いた」と告げています。「ガラリヤ」という言葉には「周辺」「辺境」という意味があると言われます。イザヤが生きた時代のガラリヤは人々が恐れと不安に包まれ、希望を抱くことのできない暗黒の時代です。今私たちが生きるこの時代を考えます。コロナウイルスの発生から4年が過ぎてもまだ終息できず、ロシアとウクライナ戦争から1年を過ぎても終戦に向かう動きは全く見えず、ミャンマーの内戦もイスラエルとハマスの紛争が未だ続いている世界はますます息苦しく、生きづらくなり、闇の力の広がりを感じざるを得ないような日々を過ごしています。「地を見渡せば、見よ、苦難と闇、暗黒と苦悩、暗闇と追放」まさにこの通りです。
しかしそんな中で、光であるみ子イエス・キリストは来られて、ガラリヤから救いのメッセージを語り出されたのです。このガラリヤからの大いなる光を待ち望みつつ、私たちがガラリヤからの大いなる光をはっきりと指差し、人々に希望のありかを指し示す小さな灯火となって、神のみ子イエス・キリストをお迎えしましょう。
〔宣教師 郭 修岩〕