メッセージ

2025年9月21日メッセージ「永遠の命に至る水」ヨハネによる福音書5章21~43節

 ヨハネによる福音書4章に登場するサマリアの女性は、孤独と痛みを抱えながら生きていました。イエスさまは彼女に「生ける水」を与えると語られます。それは一時的な潤いではなく、心の深い渇きを癒し「永遠の命に至る水」です。彼女は人目を避けて井戸に通っていましたが、イエスさまとの出会いを通して自信を取り戻し、人々に救い主を証しする者へと変えられました。
 私たちもまた、満たされない思いや孤独を抱きます。仕事や人間関係、物質的な豊かさで埋めようとしても結局「また渇く」のです。けれどもイエスさまは、ありのままの私たちを受け入れ、愛をもって渇きをいやしてくださいます。その時、私たちの心から泉が湧き出し、他者との交わりに押し出されていくのです。
 この物語には、イエスさまが人間の築いた壁を越えていかれる姿が示されています。民族、性別、社会的立場、宗教的慣習といった境界を破り、サマリアの女性と語られました。私たちも国籍や文化、経済的背景などの「ボーダー」によって人との関わりを避けがちですが、イエスさまはその壁を超えて来てくださる方です。教会もまた、その恵みに倣い、境界を超えて交わる共同体でありたいものです。
 イエスさまは「霊と真理をもって父を礼拝する」ことを語られました。礼拝は建物や形式に縛られず、生活全体を通して神に応答することです。日常の中で神を思い、隣人を愛して生きることが、まことの礼拝なのです。
 イエスさまと出会う時、心の渇きは癒され、新しい生き方へと招かれます。今日も主イエスが「永遠の命に至る水」を与えてくださることを覚え、感謝して歩んでいきましょう。   〔牧師 細井留美〕 

関連記事

最近の記事
  1. 2025年10月19日メッセージ「逆境の中でも揺るがない、神への畏敬」列王記上18章1~16節
  2. 2025年10月12日メッセージ「わたしたちは神の宝」イザヤ書43章1~7節
  3. 2025年10月5日メッセージ「神の計らい、そしてヨセフの死」創世記50章15~26節