1節には イエスはヘロデ王時代に生まれたと書いてあります。その背景を教えてくれます。ヘロデ王はローマの圧倒的な権威を借りて、暴力的にユダヤ人を恐れされ、支配をしていました。またローマによる支配にも苦しめられていました。さらにはその時代に干ばつや飢饉や疫病が人々を襲いました。社会格差は拡大し、生活は不安定になり、将来の見通しも立たず、命を落とす人も少なくなかったそうです。今の時代も同じなことが起こっています。実はクリスマスの出来事は、昔のことだけではなく、今に通じることなのです。
そのような状況の中で、主イエスはベツレヘムという田舎で生まれました。占星術の学者たちは星に導かれて、幼子イエスのいるところまでやって来たのです。学者たちをそこまでして移動したのは、希望の力です。その希望の実現のために彼らは旅立ったのです。希望に押し出され、引っ張られるようにして、主イエスの元へと引き寄せられていったのです。そこには神さまによって与えられるまことの愛があることを、クリスマスの出来事が教えてくれています。その愛の現れがクリスマスに私たちのもとに来られた神のみ子イエス・キリストなのです。主イエスの誕生によって、闇の中を歩んでいる人々に光を輝かせ、歩み出す道を照らされたのです。この本物の愛に満たされて、遣わされていく私たちでありたいです。 〔郭 修岩〕