2024年9月15日メッセージ「正しい若枝イエス」エレミヤ書23章1~6節

 聖書に記されている正義は、関係的な正義だと言われます。神と人、人と人、人と被造物との関係が正しいものであること、すなわち互いに尊重し合う関係であることが聖書の正義です。それが正しくない時、神はそれを正そうとされます。その方法の一つが、預言者を立てることでした。
 エレミヤは、バビロン捕囚の時期に活動した預言者です。エレミヤは「北からの災い」を預言します。それは、イスラエルが主なる神を離れ、異教の神々を礼拝していたために起こる災いであり、エレミヤは人々に悔い改めを呼びかけますが、彼の預言は、バビロンのエルサレム侵攻とバビロン捕囚という形で実現します。ヨシア王の時代に宗教改革が行われましたが、エレミヤはそれでユダ王国が救われるとは考えませんでした。社会に不正義があふれていることを嘆き、律法や祭儀の改革よりも人々の心が変わることが必要だと考え、人々の耳に痛い預言を続けたのです。正しい者が苦しみ、不正を行う者が栄える社会は神の正義から遠いからです。
 23章では、神自らがバビロン捕囚によって散らされたイスラエルを回復させ、良い牧者、指導者を立てるという希望が語られています。その新たな指導者を「正しい若枝」と神は言われます。その王は、治め、栄え、この国に正義と恵みの業を行い、彼の代にユダは救われ、イスラエルは安らかに住むと言います。彼のもとでは、すべての人の権利と尊厳が守られ、安心して暮らすことができるのです。彼は神の正義を実行する者なのです。
イエスさまは、ご自分を良い羊飼いに譬えられました。エレミヤの預言した「正しい若枝」は、イエス・キリストによって成就しました。しかし、この世にはいまだに不正義があふれています。なぜでしょうか?イエスによって示された正しい関係を、私たちがイエス・キリストにならって実行しなければ、この世界は変わらないのです。イエスさまが何を語り、どのように生きたのか、わたしたちは聖書から学び、それを行っていかなければならないのです。〔牧師 細井留美〕   

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