2025年4月6日メッセージ「イエスは世に勝っている」ヨハネによる福音書16章25~33節

紀元後100年頃ユダヤ地方では、イエスの死を否定する人々が増えていました。しかし、神は、人々の思いを超えてイエスを死から生き返らせて、人々に希望を与えられました。

イエスは神と共に人として世に来られましたが、今神のもとに帰ろうとしています。これは信仰の事柄です。私たちの信仰とは、私が決断して信じるようですが、実は与えられるものです。イエスは弟子たちのつまずきを見て、一人ひとりを力づけ、歩みを起こすように助けて下さいます。弟子たちは皆イエスを裏切り、逃げてしまいます。それまでイエスの働きがまるで何もなかったように思えます。そのような時さえ、イエスは神が共にいて得られる平和を、弟子たちが持つようにと祈って下さいます。33節に、イエスは「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。私はすでに世に勝っている」と言われます。励ましの言葉です。ヨハネ福音書の読者たちは、当時流行していたグノーシス主義(霊と肉体を分けて、霊は善いが肉体は悪く見ている)の中でも、イエスを信じる信仰に歩みを起こしていました。

ドイツの牧師であり神学者であったボンヘッファー(1906‐1945、39歳)の言葉を覚えます。彼は「神の前で、神と共に、神なしに生きる」という言葉を残しています。彼は1945年戦争が終わる3ヶ月前に獄死しています。神への信頼を貫きました。私たちも今の状況が最悪に思える時、起きている不条理の中でも、イエスはすでに世に勝っていますから、神に信頼して歩みを起こして行きましょう。   〔牧師 魯 孝錬〕

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