2021年9月5日メッセージ 「命の言葉を告げ知らせる」

「命の言葉を告げ知らせる」

使徒言行録5章17~32節


少し前、ペトロとヨハネが人々にイエスの復活を語っていると、祭司たちやサドカイ派の人々が二人を投獄し、今後イエスの名によ
って語らないようにと脅しました。しかし、二人は「神に従わずに、あなたがたに従うのは正しくない」と拒否します。そしてさらに心燃
やされて、大胆にみ言葉を語ったため、嫉妬した大祭司とサドカイ派の人々は再び、使徒たちを捕らえて投獄します。
すると、夜中に主の天使が現れ、牢の戸を開けると彼らに言います「この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」。使徒たちが語って
いた言葉は、人々を生かす「命の言葉」であったのです。多くのしるしや不思議な業は、彼らの語る命の言葉によって起こされたので
しょう。使徒たちが起こすしるしや不思議な業は、命の言葉によって、人々が悩みや苦しみから解放されて、生かされたことを意味し
ているのでしょう。
命の言葉とは、イエス・キリストのことです。イエス・キリストが社会の中で貧しい人々や阻害されている人々と共に歩んだこと、そして
そのために十字架にかかったイエスを神が死者の中から復活されたことが、人々を生かす言葉になったのです。自分たちと同じよう
に貧しい者、弱い者であるイエスを神が起こされたということは、自分たちのような社会の底辺にいる者、取るに足りない存在と見做さ
れている者を神さまが顧みてくださること、絶望するしかない状況の中で神の救いが起こされることへの確信につながったのだと思い
ます。人々は、使徒たちが語る命の言葉によって、生きる希望を見出したのです。そして、命の言葉を告げ知らせることを決してあき
らめない使徒たちを、神さまは助け、牢の扉を開いて、語らせ続けたのです。〔細井留美〕

関連記事