2022年6月26日メッセージ「本当に必要なものは何か」ヨハネによる福音書5章1~15節

イエスは38年間体の麻痺で苦しんでいる人に「よくなりたいか」と尋ねました。この問いかけを読む時に、よく私たちを疑問させ、混乱させることがあります。一体、この人にとっては、本当必要なものは何でしょうか。

羊の門の近くにある「ベトザク」の池には体が不自由な人たちは大勢、横になっていました。なぜこの人たちはここに集まっていたのか、それは、その池の水が時々動き、その時に、先にこの池に入った人は、どのような病気でも癒される、という噂があったからです。イエスはその病人たちの中で、38年も病気で苦しんでいる人に目が止められました。そして、彼に対して「良くなりたいか」と語りかけました。イエスのこの問いかけは、私たちのそのような思いと裏腹に、この人の抱えている根本的な問題をえぐり出したのです。

彼は病気以外の様々な問題を心配することもあって、それで、無意識のうちに「誰も助けてくれない」ということを口実に、そのままの状態にとどまっていようとしたのです。イエスの問いかけは、彼が今色々な不安があっても本当に自分から変えたい意志があるかどうかを尋ねているのです。すると、彼がイエスの言葉によって立ち上がり、重荷を背負って歩み出していったのです。本当に必要だったのは、自分から変えたい意志、また彼を癒してくださるイエス・キリストとの出会いだったのです。     〔郭 修岩〕

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