2023年1月8日メッセージ「わたしについて来なさい」マルコによる福音書1章14~20節

ガリラヤで伝道活動を始められたイエスさまがガリラヤ湖のほとりを歩いていました。すると、シモンとアンデレが、漁をしていました。イエスさまは二人に声をかけます「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」。すると、二人は網を捨ててイエスさまに従いました。当時、魚はぜいたく品でしたが、利益は領主や地主たちのものになり、漁師たちにはほとんど残りませんでした。重労働であるにもかかわらず、利益が得られない生活は、彼らにとって希望がなく苦しいものでした。そんな彼らにイエスさまが、神の国到来の福音を伝えたのです。理不尽なこの世の支配者に代わる神の支配がすぐそこまで来ているという福音は、彼らの心に深く響いたでしょう。

しかし、彼らの決断の前に、「あなたがたを人間をとる漁師にしよう」というイエスさまの選びと「わたしについてきなさい」というイエスさまの招きがありました。それは、信仰への招きであり、献身への招きでした。「イエスさまについていく」とは何を意味するでしょうか?それは、第一にイエスさまに信頼して歩み出すことです。第二に、イエスさまに倣って生きることです。「わたしについて来なさい」を直訳すると、「わたしの後ろについてきなさい」です。イエスさまのすぐ後ろでなくても、十歩後ろ、二十歩後ろでも構わないのです。たとえ今は二十歩後ろをついていくのだとしても、徐々にイエスさまに近づいていけばよいのです。「わたしの後ろについてきなさい」、それは「わたしがあなたの前を行くよ」という励ましの言葉でもあります。新しい年にあたり、「わたしについて来なさい」と言われるイエスさまの招きに耳を傾け、イエスさまに信頼して、またイエスさまに倣って歩んでいくことを決断できればと思います。                               〔細井留美〕

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