2023年6月18日メッセージ「共生する社会」申命記5章12~21節

申命記はモーセがイスラエルの民に向かって語った告別説教です。5章ではイスラエルが神の民にされるにあたり、神さまから与えられた十戒について語られています。イスラエルの民が十戒を賜るまでの物語は、出エジプト記に詳しく記されていますが、エジプトで奴隷として虐げられていたイスラエルの人びとの苦しむ声を神さまが聞かれて、イスラエルの人びとをエジプトから救い出し、荒れ野で神の民とし、十戒(戒めの言葉)を守るように告げたのです。

5:1でモーセは言われます「イスラエルよ、聞け」。この言葉からも、これから語ることがとても重要であることが伝わってきます。モーセは言います。この言葉は、あなたがたの先祖にだけ語られたものではなく、今生きているあなたがたのためにも語られたものだ、だからこれを学んで忠実に守りなさい、と。

十戒は、前半は神と人の関係についての戒め、後半は人と人との関係においての大切な戒めであり、人が他者と一緒に共生する上で必要な戒めです。どちらも虐げられて生きる人間を解放するために神さまが与えてくださった戒めであり、ここから私たちは人間らしく生きるために大切なことや人が幸せに生きられる平和とは何かを学んでいくことができます。現代を生きる私たちも自分たちに語られた言葉として、十戒を受け止め、学んでいきたいと思います。                         〔細井留美〕

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