2024年5月12日メッセージ「起きなさい」マルコによる福音書5章21~24、35~43節

 イエスさまが湖のほとりにいた時、会堂長の一人、ヤイロが来て、イエスさまの足もとにひれ伏しました。ヤイロの娘は死にかけていました。しかし、ヤイロは娘の命を諦めることなく、自らイエスさまのもとへ行き、「あなたがおいでになって、娘に手を置いてください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう」と願いました。イエスさまの力を信じる信仰がそこにはありました。
イエスさまたちとヤイロが家に向かう途上、長年病に苦しんでいた女性と出会い、彼女に癒しが与えられます。イエスさまが、女性と話しをしている時に、ヤイロの家から来た人々がヤイロに告げました。「お嬢さんは亡くなりました。」知らせを聞いて目の前が真っ暗になったであろうヤイロに、イエスさまがすかさず言われました。「恐れることはない。ただ信じなさい」。「もう娘は助からないかもしれない。手遅れだ」という不安に飲み込まれそうになっているヤイロに、イエスさまは「恐れるな」と声をかけたのです。
 一行がヤイロの家に到着すると、人々が大声で泣きわめき騒いでいました。イエスさまは皆を外に出し、子どもの両親と3人の弟子たちだけを連れて、子どものいるところへ入って行きました。そして、子どもの手を取り「タリタ、クム(起きなさい)」と言われると、子供はその呼びかけに応えて、起き上がって歩き出しました。
 この出来事は、その場にいた人々をとても驚かせました。終末に起こると言われている死者の復活を目の当たりにしたからです。やがて起こるイエスさまの復活を予告するものでもありました。イエスさまはご自分を信じる人々の前でだけ、死者を復活させることのできる神の力を示されたのです。会堂長のヤイロは、イエスさまを信じる信仰によって、癒しよりももっとすごいものを目にしたのです。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる」(ヨハネ11:25)                               〔牧師 細井留美〕  

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