ヨハネによる福音書1章1-5節では、イエス・キリストがどういう方であるのかが、語られています。創世記の天地創造の物語で、神は、言葉によって世界を創造していきますが、その言葉が、イエス・キリストであると、ヨハネによる福音書は語ります。すなわち、イエス・キリストは、初めから神と共にあった存在であり、神そのものなのです。万物は、神の言葉であるイエス・キリストによって作られました。そして、その言葉の内に命がありました。神の言葉イエス・キリストは、命の源です。その命は、人間を照らす光であり、この世界の暗闇の中で輝いているのです。
9節からは、イエス・キリストが人として、この世界に来られたことが語られています。まことの光であるイエス・キリストは、世にあって、すべての人を照らすためにやって来られました。ところが、世は彼が誰であるのかを理解することができず、十字架につけて殺してしまったのです。しかし、イエスを救い主として信じ受け入れた人々は、そのことによって、神の子とされました。
「言葉が肉となって、わたしたちの間に宿られた。」これがまさにクリスマスの出来事です。神に等しい存在であったイエスが、人となって私たちの間に宿られた、すなわち私たちと共に生きる存在となったのです。イエスは、ベツレヘムという小さな町の飼い葉おけの中に生まれ、難民としてエジプトに寄留した後、エルサレムから遠く離れたガリラヤのナザレという村で、人生の大半を生きました。この世界の底辺、あるいは暗闇と言える場所でお生まれになり、貧しい人々と共に歩まれました。その歩みに、彼の神の独り子としての栄光を見ることができます。なぜなら、その歩みは、人々に対する恵みと真理とに満ち溢れていたからです。 〔牧師 細井留美〕