2024年9月1日メッセージ「ペトロの救出」使徒言行録12章6~19節

 初代教会は、ヘロデ王に捕まえられたペトロのために、熱心に祈りました。人々の祈りは聞き入れられ、主の天使がペトロを導かれました。ペトロは天使の言われるまま、ついて行きましたが、天使に導かれながらも、それは現実ではなく幻だと思っていました。一方、人々はペトロが自由になる事を熱心に祈りながら、ペトロが門の前にいる事を信じられませんでした。現実の改善を祈りながら、その応答を受け入れられなかったのです。ペトロも教会の人々も、限界がある姿です。人間の限界を知りながら、なお人間と共に働きたいと決めた、神の働きです。これを「神の熱心」と言う神学者がいました。
10、11節に「突然、天使は離れ去った。その時ペトロは我に返って言った」とあります。ペトロが弱くなった時には、天使が傍らに共にいました。そして、天使が姿を消した瞬間、ペトロは我に返ります。自身の中で何かが変えられた瞬間です。ペトロは「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、私を救い出してくださったのだ」と告白しています。ペトロは落胆の中から、主の希望を見出しました。
私たちも日常で、ペトロのような状況や、人々のような状況を経験します。自分はもうこれで終わりだと諦める事があります。その時にも、教会の人々は祈っています。八歩塞がりと思える状況でも、主の不思議な働きがあります。主は私たち一人一人を顧みて下さいます。7転8起(ななころびやおき)と言います。何度失敗しても、くじけず、立ち上がる事を言います。その理由は、主が共にいるからです。目まぐるしい変化の中で、ペトロと人々は聖霊によって変えられ、世界に向かって行きました。〔牧師 魯 孝錬〕 

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