2021年12月12日 「その名は神」 サムエル記上1章12~20節

 

士師記の最後の節に「イスラエルに王がなく、それぞれ自分の目に正しいとすることを行っていた」とあります。そしてサムエル記に、新しい時代が始まります。1章ではハンナという女性が悩み嘆いて、主に祈っています。

第一に、13節に「エリはハンナが酒に酔っているのだと思い」と言います。エリはハンナが「悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた」ことを知りませんでした。それはハンナが「唇は動いていたが声は聞こえなかった」からです。エリはハンナが酒に酔っていると判断しました。第二に、15節で、ハンナは「主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました」と答えます。ハンナは心から子どもを願い、また、その子どもを主に捧げると祈っています。ペニナには子どもたちがいて、ハンナにはいません。子どもがいない女は、不幸という価値観が当時ありました。第三に、20節に、その名をサムエル(神の名)と名づけました。サムエルの名前の意味が「神の名」で、神に注目して神から聞く姿勢を表わします。それぞれ自分の目に正しいことをする時代から、神がなさろうとする事を聞く時代になります。時代の限界の中でも、神の業を「人」が聞いていくのです。

2000年前、神の働きがマリアに臨みました。ルカ1:28に天使がマリアに「主があなたと共におられる」と言われます。マリアは戸惑いながらも「この身になりますように」と言いました。イエスの誕生物語にも時代を変える、神がなさる業があったのです。

〔魯孝錬〕

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